人気絶頂の中、惜しまれつつ突然解散を発表した前身バンドColourの終了の頃、フロントAlanが歌やメロディを追求するためもともと一人で開始したプロジェクト、Tangled Hair。今作は、本国で2010年にデジタル・リリースのみされた1st EPと2011年4月にリリースされた2nd EPをコンパイルした日本独自盤。

ある意味回帰とも言えるバンド・サウンドにより、美麗メロディとフレーズへの追求をは続け、3人とは思えない確固たるバンドとしての一体感を手に入れ、曲中、寄せては返す緩急を見事な呼吸の一致で仕上げている。 Alanの歌とギターはより力強さと繊細さのコントラストを見せ、 抜けるように歌うドラムと、それを安定の運指でベースが支える黄金比の完成された全9曲

。 繊細なファルセットをも操りながら、マス要素で成り立つインスト群と共に極端なまでに強弱振り分けられる独自のスタイルは、イギリス流・新世代歌モノ・マスと呼べるだろう。本国ではロンドン中心にライブキッズの歌心をつかんで離さずしばしば大合唱も巻き起こす、この生きたシーンの空気を3人がそのまま今日本に届ける。

実は日本と同様Pele、KARATE、Faraquet等々アメリカ・マス〜ポストHC勢人気は根強く、これを受け計算されたギターフレーズに取り組むバンドが発生し続け今なおシーンがしっかり存在するイギリス。その中、2009年まで若手マス・ポップ勢のネクスト・ブレイクに一番近い位置付けだった彼らの前身バンドColourの終了により、ギター・ボーカルAlanとドラマーTroodにベースAlexを加えて開始されたのがこの美メロを全面に押し出した成熟のシンガロング・マス・バンドだ。目くるめく楽曲展開に載る、 流れるコラージュのような語感の詞にも是非注目して聴いて欲しい。


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